人生は椅子取りゲーム

今の職場は直接雇用のレギュラースタッフでは人手が足りないので日常的に派遣会社から派遣される日雇いの作業員の人が出入りしています。
先日、帰りが一緒になった派遣作業員の人と話していて、彼はまだ大学生なのでこれから就職活動をする予定らしいんだけど、

うちの職場のことを「あんな所に就職する事になっちゃったら人生終わりだわ~。本気で就活頑張らないとって思います」って言っていた(笑)
おいおい、「あんな所」にやむを得ず就職している私の前でそれ言うか?って感じだけど、事実なので仕方が無いです(笑)

求人媒体で募集をしても、いくら応募の人が来てくれても必ず数日で辞めてしまう。まれに続く人がいても私の入社以降では一人だけ半年続いた人がいた。
でもその人も最初から他へ移ると決めていて、正社員になれという誘いを断り続けてずっとアルバイトの契約で仕事をしていた。
半年経過して他が見つかったので辞めていった。

派遣で来ている人の中から良さそうな人をスカウトしている。

日雇いとは言っても同じ現場に何度も派遣されることもあり、顔馴染みになる派遣スタッフの人もいる。そういった人の中で数人直接雇用をした人もいる(派遣会社にマージンを払わずにそんな事やってるなんて、それは本当はNGなんだけど)

そんな流れで何度も何度も働きに来ていた派遣の人が最近やっと正社員になった。
直接雇用になってからもずっとアルバイト形態で働いていて、やはり彼も何度も正社員になるようにという誘いを断っていたらしい。
ちょうど1年前に彼と話をした時にも「今後まともな仕事に就きたいから、ここにずっと居るつもりは無い」と言っていた。

その人はまだ去年の時点で23歳位だったから私も「そりゃあそうだろ」と思って、その時は「もっと労働単価の高い仕事を探した方がいいよ」とは話していた。
そして今年になって彼がアルバイトを辞める事になって、退社日まで決まっていたのに、どこにも就職が決まらなかったらしい。あちこち応募したり面接を受けたりはしたんだけれど、それらどこからも採用してもらえず、
で、結局渡りに船じゃないけれど、今の職場の上長が「それだったら一度ここで正社員としてしっかり働いて実績をつけろ(転職はそれからでも遅くない)」みたいな話をして、とうとう彼も諦めて正社員になった・・・という経緯だったらしい。

あ~あ~あ~~~、詰んだね。と思った(笑)

こんなところで働いていたって時間を浪費するだけで転職に役立つような実績なんて身に付かないし、転職はそれからでも遅くないって、もう今の時点で遅いんだよ(笑)

どうにか労働者を確保したい会社側も必死だし、そりゃいくらでも嘘言うよなあ。
彼は何としてでも意地でも他の就職先を探すべきだったのに・・・。

恐らく「まともな職種、まともな企業への」就職を狙っていたのだろう。
まだ若いからどうにかなるかと思ったけど、やはり新卒採用から漏れると大分厳しくなるのだろうな。それはきっと今も変わっていないのだろう。
いかに新卒でまともな仕事に滑り込むかがほぼ全てだと言っても良いと思う。
もちろんそこで失敗しても這い上がって自分でビジネスを興して大成功するような人だっているけど、そんなケースが起こるのはほぼほぼゼロ。

人生って、まるで「椅子取りゲーム」だなあと思う。

椅子にあぶれた人間は今のうちの職場みたいな場所に身を置くしかないのだろうな。
だから椅子を確保している人間は椅子にしがみつくし、椅子に座れずに脱落していった人間を眺めて「ああなっては終わりだ、あんな風になりたくない」と、ますます椅子への執着を強めるのだろうし、椅子を失う恐怖に怯えるのだろう。

きっとその諦めて正社員になった彼は、今から1年以内に転職をしないとこのまま底辺に沈んだままで一生を終える事になるだろう。というかその確率が90%を超えるだろう。
なぜかと言うと、今の仕事でも「ギリギリ生きていく事は可能」だから。これが実は一番厄介だと私は思っている。
私は今の職場は最底辺職だけれども最悪だとは思っていない。「底辺=悪」ではない。

もちろんぬるま湯ではない、決して居心地は良くないから。だけどギリギリ沸騰しない程度の湯温だと思っている。
労働条件は「週休一日、一日の拘束時間10時間+残業、たまに休日出勤あり、日曜祝日以外の休日は年間7日、有給休暇無し、賞与1年に1回で月給0.6か月分程度支給」

試用期間を経て数年継続勤務をすると大体基本給が額面で25~26万円程度に落ち着くらしい。

その条件を良いと思うか悪いと思うかは人それぞれの感覚だから一概には言えないけれど、でも生活出来ない程ではないと思う。

社会保険にも加入出来るし、役職に就かせられなければ残業代も休日の給料も発生する。

「どうせ他を探しても今と同じような条件の所にしか雇ってもらえないんだからこのまま我慢しようか」って、
こういう思考になるのが一番ヤバイ気がする。

鉄は熱いうちに~じゃないけれど、せっかく転職のモチベーションが上がっていたのだから、採用が決まらなくてもそのまま就活を続けるべきだったんだと思う。

絶妙だよな。踏みとどまれる、我慢できるギリギリのラインを見極めるのが社畜奴隷を安く飼い慣らすポイントなんだろうな。「これ以上厳しくしたら逃げ出してしまう」というそれこそギリギリのデッドライン。
本当に一日の拘束20時間とか超ド級ブラックだったらどうしたって転職するしか選択肢が無くなるから人は辞めていく。辞めざるを得なくなる。
だけど、今の職場は確かにきついはきついので、新しく入ってきた人はほぼ続かない。99.9%はすぐに辞める。だけど100%ではない。その残りの0.1%はかろうじて続けられる。
そうすると、その0.1%の人間は「我慢をすれば続けられるから・・・」で、成長の無い環境に留まってしまうんだよな。

結末がこうなるならさっさと辞める人の方が正解なんじゃないか・・・っていう気にもなってくる。
もちろんすぐに辞めた人がその後どうしているのかは知る由も無いのだからその選択が正しいのかなんてわからないのだけれど。
渋々正社員になったその彼が今後どういう動きをするのか、興味深く観察しようと思います(笑)


※11月21日(木)の就業時間中にかかってきた電話は合計58本、そのうち私が出た電話は21本でした。
繁忙期なのにこのところあまり電話が多くないのが気になります。嬉しい事なんですけどね・・・


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